Praha(プラハ)

ピルゼン・フィルムフェスティバル2001で最高観客賞を受賞したミュージカルコメディ

失った祖国、失いたくない恋~チェコ国民の20人に1人が見た大ヒット作品

ズザナ・ノリソヴァー

映画の舞台となるのは、世界遺産にも登録され、中世ヨーロッパの重厚な魅力を今も伝える"魔法の都"プラハ。第二次世界大戦後の共産主義のなか、民主化運動が進んだチェコスロバキア(1993年にチェコ共和国とスロバキア共和国に分裂)では、後の世に"プラハの春"と呼ばれる平和な時代を迎えていた。

ドイツ国境に近い小さな街に住む女子学生テレザ、ブギナ、ユルチャ。同級生の青年オルダ達は、なんとか彼女達と初体験を果たせないものかと、ダンスホールへと誘う。
スタイリッシュで垢抜けた彼女達にとって、幼馴染でもある同級生の男子は"幼稚"にしか見えず、全く眼中にない。その一方で、エッチは頭にもいいという噂を信じていた彼女たちは、勉強のためにも、理想の彼氏と燃えるような恋に堕ちて初体験を早くしたいと思っていた。

卒業試験前の1週間休みになったある日、彼女達の街に共産主義政権からの弾圧から逃れ、アメリカへの亡命を目指しているワルシャワ条約機構軍の兵士シモン、ボプ、エマンが所属を抜け出してやってきた。街で偶然に出合ったテレザは、シモンに心を惹かれるのだった…。

二人が出会ったその日、シモンたち3人の脱走兵は、テレザの父親が経営しているレストランにやってきた。シモンの姿をこっそりと見ては胸をときめかせるテレザだったが、彼らが脱走兵であることに気づかず、教会の修繕作業に派遣されてきた美術修理工と信じてしまう。彼らが教会に足を運ぶ理由は、シモンたちの知り合いである神父がそこにおり、教会を隠れ家として日夜、自由の国アメリカへ向かう機会を伺うためだったのだ。彼らの計画は、国境を越えドイツに向かう貨物列車がこの街を通過する際に忍び込むというものだった。

それから1週間が経ったある日、高校の卒業試験のためいつものように駅に向かうテレザはシモンと再会をはたす。互いに見つめ合う二人だったが、「教会の修復をしているの?」というテレザの質問にシモンは自分達が脱走兵であることを打ち明けられない。試験後に仲間を加えて遊園地でのデートへと誘うテレザ。本来ならば、人目につく場所は避けなければならないシモンたちは一瞬ためらうが、彼女達に身分を明かせない3人は誘いをOKする。

しかし、遊園地で同級生である男子生徒オルダたちに遭遇し、パーティーの誘いを受ける。微妙な空気が流れはじめるが、近くに警官の姿を目にしたシモンたちは急いで帰ってしまう。

外で動き回るのは危険と考えたシモンたちは、自分達の隠れ家にテレザたちを招待してパーティーを開くのだが、遊園地での彼らの挙動を不審に思ったオルダもこっそりと様子を探っていたのだった。

恋におち、一夜を共にするテレザたちだったが、翌朝、国境を越える貨物列車を見つけて慌てて荷物をまとめる彼らの様子を見た彼女たちは、シモンたちが脱走兵であることに気づく。列車の汽笛と共に自由の国アメリカを目指して駆け出す彼らだったが、アメリカよりもテレザが忘れられないシモンがとった行動とは…。

監督:フィリプ・レンチ
製作:フランチシェク・ヤンダ
出演:ズザナ・ノリソヴァー、ヤン・レーヴァイ、ヤロミール・ノセク、アルジュビェタ・スタンコヴァー、アンナ・ヴェセラー、ルボシュ・コステルニー